平成18年 9月2日(土) 〜 9月24日(日)

展示の趣旨 

住空間の変化により、現在ではあまりなじみが無くなった屏風。皆さんにとって、屏風と言えば、
博物館や美術館で「鑑賞する」「絵画」であるという印象が強いのではないでしょうか?

 そもそも、屏風は折りたたみ式の「間仕切り」や「風よけ」であり、機能性を重視した可動式の壁面として
古くから用いられてきたものです。
しかし、その広い面を活かして、絵画や書、あるいは金銀の装飾がほどこされるようになると、
次第に、室内を仕切ると同時にその「場」を飾れるという、「用」と「美」を兼ねそなえた
調度品へと変化していきました。
こうした装飾のほどこされた屏風は、必然的に周囲の空間を意味づけるという役割も担うようになったのです。
その結果、屏風には時と場合に応じた多くの機能が与えられ、
また、用いられる「場」に合わせたさまざまな意味も重ね合わされるようになりました。
たとえば、結婚式の新郎新婦が背にする金屏風は、婚礼という場を特別で晴れやかな空間に演出する
一つの道具立てになっていると言えるでしょう。
屏風をひらくことにより、そこに新たな空間が生まれ、その瞬間から鑑賞がはじまるのです。

 この企画展では、館蔵品や収蔵品のさまざまな屏風を通して、屏風に託された意味や、
その鑑賞のありかたをご紹介します。
この展覧会を機会に、一度、家に眠っている屏風をひらいてみてはいかがでしょうか。


屏風をしろう!

展示資料を音声で紹介する「いつでも音声ガイド」をご用意しております。

展示資料目録

 

 和歌浦・天橋立図屏風 

6曲1双

 江戸時代(17〜18世紀)

当館蔵

 

 源平合戦図屏風

6曲1双

 江戸時代(19世紀)

当館蔵

県指定

 東照宮縁起絵巻 住吉如慶筆

1巻

 正保三年(1640)

東照宮蔵

 

 弁慶物語絵巻

1巻

 江戸時代(17世紀)

当館蔵

重文

 群猿図屏風 長沢芦雪筆

6曲1双

 天明7年(1787)

草堂寺蔵

重文

 群狗図屏風 長沢芦雪筆

6曲1隻

 天明7年(1787)

草堂寺蔵

 

 頼光金時図屏風 曾我蕭白筆

2曲1隻

 江戸時代(18世紀)

個人蔵

 

 唐人物図屏風 狩野探幽筆

6曲1隻

 寛文12年(1672)

個人蔵

 

 四季草花図屏風 伊年印

6曲1双

 江戸時代(17〜18世紀)

高山寺蔵

 

 紀州熊野浦捕鯨図屏風

6曲1隻

 江戸時代(18〜19世紀)

当館蔵

 

 詩書屏風 李梅渓筆

2曲1隻

 江戸時代(17世紀)

当館蔵

 

 南紀男山焼
  交趾写二彩獅子形屏風挟
             光川亭仙馬作

1対

  江戸時代(19世紀)

当館蔵

 ※「重文」は重要文化財、「県指定」は和歌山県指定文化財であることを示す

(重要文化財2件3点、県指定文化財1件1点、初公開資料1件1点を含む計12件17点を展示)


  休館日     月曜日
                       (9月18日は開館し、翌19日を休館)     

  会 場    和歌山県立博物館 1階企画展示室

  開館時間  午前9時30分〜午後5時
 
                      (入館は午後4時30分まで)                

  入館料      
  一般:260円(210円)  大学生:150円(120円)
 
 ※( )内は20名以上の団体料金                            

 高校生以下、65歳以上の高齢者、障害者の方および
 県内に在学中の外国人留学生・外国人就学生の方は無料