紀州の古代寺院


約300年間にわたり続けられてきた古墳の造営は7世紀に入るとほとんど行われなくなる。それに代わる豪族の氏寺として、県下では7世紀後半に寺院の建立が始まり、白鳳時代の寺院は15カ寺が知られている。紀ノ川流域や熊野古道に沿って残る遺構からは、都の寺院の影響を受けた瓦が多く出土している。奈良時代に入ると、国分寺・国分尼寺が建立されるなどの国家仏教政策のもとで、氏寺は各郡に1寺となるように整理・統合されていった。