道成寺


日高平野のほぼ中央の小高い土地に寺域を占める。本尊は千手観音。大宝元(七〇一)年文武天皇の勅撰により、紀道成が創建し、寺名はそこに由来するといわれる。開山は法相宗の高僧義淵を伝えられる。発掘調査により、奈良時代にはすでに大規模な伽藍が存在していたことが確認されている。当時は安珍・清姫伝説の舞台としても有名であり、この説話を絵巻にした『道成寺縁起』による絵解説法で信者を集めた。戦国時代には衰弱するが、徳川家の庇護をうけ整備された。