壬辰倭乱図屏風 六曲一隻

紙本淡彩 縦99.9 横204.0 19世紀 和歌山県立博物館蔵


 豊臣秀吉による朝鮮侵略は2度行われた。本図では、城に籠もる朝鮮軍と攻め落とそうとする日本軍(秀吉軍)の攻防を描いている。「東莱府殉節図」の構図と景観や戦闘描写が近いことから、文禄元年(1592)の「壬辰倭乱」(文禄の役)における東莱城の戦いを描いたのではないかとされるが、異説もある。最終的に朝鮮国の勝利に終わったこの戦争は、本図のように絵画化することで、朝鮮の支配者が民衆統合を行おうとしたのではないかとされている。