周天360度を1目盛りにして描かれた上規・下規の円図および24節気における中星時刻を記した図表(@)と、赤道を中心にした星図(A)とが一組になっている。@の序文には、天文学者・渋川春海(1639〜1715)が延宝5年(1677)に作成した『天文分野之図』から年月が経ち、星の宿度も合わなくなり、高橋信行が計算をやり直し、方図にしたと記している。助算・図の作成は高塚福昌ら3人が行った。幕府天文方の東台督学を勤めた義厳が、紀伊藩10代藩主であった治宝側近・渥美源五郎に宛てた書簡(写)が付属しており、本品が治宝に献上された経緯を知ることができる。
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