わかのうら・あまのはしだてずびょうぶ
和歌浦・天橋立図屏風

(和歌山県立博物館蔵)


六曲一双  紙本金地著色
江戸時代(17〜18世紀)
各縦93.8p 横272.0p

 右隻(うせき)に和歌浦、左隻(させき)に日本三景の一つである天橋立を描いた屏風。
右隻の和歌浦図の第二扇にある大きな社が東照宮(とうしょうぐう)、第四扇下が玉津島(たまつしま)神社、
第六扇に配されるのが紀三井寺(きみいでら)で、右下の城は和歌山城、
右上の社は天満宮(てんまんぐう)とみられるが、それらの位置関係はあまり正確ではない。
左隻の天橋立図も同様で、こうした名所絵では、地理的な正確さよりは、
むしろ名所としての要素がそろっていることの方が重要だった。
なお、和歌浦は、広島の厳島(いつくしま)とよく対で描かれるが、天橋立と対になる例は珍しい。