江戸時代より前から、熊野灘(くまのなだ)や紀伊水道の沿岸部では、回遊してきた鯨を浅瀬に追い込んで捕らえる捕鯨が行われてきましたが、江戸時代の初頭に、太地浦(たいじうら)で組織的に編成された集団(鯨組(くじらぐみ))が、水軍の合戦のように鯨を追い、専用の銛(もり)を打ち込んで鯨を捕らえる突取法(つきとりほう)が用いられるようになり、本格的な古式捕鯨が始まります。その後、延宝5年(1677)には、突取法に網を併用する網取法(あみとりほう)が考案され、動きの速い鯨も捕獲できるようになり、さらに捕獲量が増えることになりました。
紀州熊野浦捕鯨図屛風(太地浦・鯨陸揚げの場面)
このたびのコーナー展は、江戸時代の太地浦を中心とした捕鯨に関わる資料を紹介し、また人びとが様々な種類の鯨類へ深い関心を持っていたことを示す資料も、あわせて展示します。
(展示資料:鯨志(げいし)、熊中奇観(ゆうちゅうきかん)、鯨絵巻(くじらえまき)、鯨捌之図(くじらさばきのず)、 鯨図(くじらず)、熊野玩具船(くまのがんぐぶね)、紀州熊野浦捕鯨図屛風(きしゅうくまのうらほげいずびょうぶ)、
計7件7点、いずれも和歌山県立博物館蔵)
*コーナー展「きのくにの古式捕鯨」
*平成27(2015)年7月18日(土)~9月6日(日) 9:30~17:00 (入館は16:30まで)
(夏休み企画展「わかやま城探検」と同時開催します。)
*月曜日は休館(ただし、7月20日は開館し、翌21日は休館)
*一般:280円(220円)、大学生:170円(140円) ( )内は20人以上の団体料金
高校生以下・65歳以上・障害者・県内在学中の外国人留学生は入館無料
※8月28日(金)までの平日は、入館料半額(わかやま夏の節電アクションプラン)
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