日本各地の海岸付近を描いた絵図(地図)といえば、19世紀初め、測量隊を率いて全国を回って作成された、伊能忠敬(いのうただたか)の全国図(伊能図)が有名です。今回展示する日高郡域の海岸沿いを描いた沿海浅深絵図(えんかいせんしんえず)(写真は部分<日高川河口付近>)は、伊能図よりも大縮尺(約6000分の1)で、伊能図にはみられない沖合いの水深が記されています。幕末になると外国船が頻繁に来るようになり、幕府は外国船警備のため、諸藩に海岸沿いを詳しく描いた絵図を作成するよう命じました。この絵図は、入山組(にゅうやまぐみ)の大庄屋を勤めた家に、測量道具である小方儀(展示番号21)とともに伝来したものです。
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