作品紹介
菩薩形坐像(ぼさつぎょうざぞう) |
|
|
|
総高25.9㎝の小像で、桧の一木から像の全てを彫り出しています。神秘的かつ官能的な表情、豊かな量感と引き締まった肉身表現など、9世紀半ばごろの密教彫像特有の表現を示しています。 |
|
観音菩薩立像(かんのんぼさつりゅうぞう) |
|
| |
像高46.2㎝、桧とみられる一木から両手先を除く像の大半を彫り出しています。高く結い上げた髻(もとどり)、胴がくびれた健康的な体型、膝下の着衣に表された波打つような皺の表現など、奈良時代末期から平安時代初期ごろの特徴を示しています。紀の川流域に現存する、最古の木彫像です。平成24年6月、県立博物館と橋本市教育委員会との合同調査で確認し、今回が初公開です。 |
|
阿弥陀如来像(あみだにょらいぞう)および二十五菩薩像(ぼさつぞう) |
|
| |
阿弥陀如来が25体の菩薩とともに来迎(らいごう)している情景を、立体的な仏像で表現した群像です。阿弥陀如来坐像が平安時代前期、その他の菩薩像は平安時代後期に造像されたもので(一部は江戸時代の補作)、菩薩像は躍動的な動きや表情の変化に富んで魅力的です。こうした阿弥陀如来と菩薩の群像で、平安時代にさかのぼる作例は全国的にも極めて少なく、とても珍しい作例です。全ての像が寺外で公開されるのは、今回が初めてです。 |
|
薄紅地松梅文様水干(うすべにじまつうめもんようすいかん) |
|
| |
丹生都比売神社(天野社)で盛大に行われた舞楽法会のためにあつらえられた装束の一つです。狩衣(かりぎぬ)に似た装束で、丈が短く、裾を袴の中に着込めて着用します。 |
|
女神坐像(じょしんざぞう) |
|
| |
元、丹生酒殿神社に伝来した可能性が高い女神像で、丹生都比売命を表したものと考えられます。一具となる気比明神、厳島明神を表したと考えられる女神像も伝わります。まなじりを切り上げた口もとを引き結んだ意志的な表情をみせ、鎌倉時代初期頃の造像です。 |