面掛行列で使用されてきた仮面は、現在97面が残されています。これらは、能面・狂言面・神楽面・鼻高面など、さまざまなジャンルの仮面が集まって形成されている仮面群です。 鎌倉時代まで遡りうるものを初め、江戸時代までに作られた古い仮面がたくさん含まれ、また江戸時代初期の優れた能面・狂言面もたくさん確認できます。これらの仮面を準備したのは、自らの意向によって和歌祭を行わせた徳川頼宣と考えて間違いなさそうです。
その後、和歌祭が和歌浦の地域的な祭礼としての性格を持ってくると、庶民的な神楽面や鼻高面などが追加されたようです。仮面群の成立過程は複雑ですが、少しずつその謎が解明されつつあります。
現役で使われてきた仮面のため、破損も目立っています。そこでNPO和歌の浦万葉薪能の会と能面文化協会の協力により、面掛用の新しい仮面が制作され、現在のところ45面が奉納されています。今後もさらに製作・奉納は継続されます。
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