桑山玉洲(1746~99)は、和歌浦(わかのうら)で廻船業(かいせんぎょう)を営む家に生まれ、ほぼ独学で絵を学びました。京都の文人画家の池大雅(いけのたいが)(1723~76)と親交を深め、この絵も大雅からの影響が顕著です。ただ、白い顔料を大胆に散らして雪を表現した点は、来日した中国人画家である沈南蘋(しんなんぴん)(1682~?)の画風に影響を受けた玉洲の真骨頂です。雪の中で宴会を開いている場面を描いており、「知足上人(ちそくしょうにん)」という人物のために描かれ、他の作例との比較から、寛政10年(1798)玉洲53歳の作と推定されます。今回が初公開です。
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