展示のみどころ


 

1 桑山玉洲・野呂介石の那智滝図が勢ぞろい

和歌山県指定文化財

那智三瀑図(なちさんばくず)

 野呂介石筆 

(和歌山県立博物館蔵)

 紀州の三大文人画家のうち、ほぼ同世代の桑山玉洲(1746~99)と野呂介石(1747~1828)が描いた那智滝図をまとめて展示します。山水画の基本的な技術の上に、2人とも実際に那智滝を見た経験をもとに描いた作品です。

 和歌山市指定文化財

那智山熊野橋柱巌図屛風(なちさんくまのはしぐいいわずびょうぶ)

                   のうち那智山図

桑山玉洲筆 

(念誓寺蔵)

 

2 和歌浦図屛風が勢ぞろい

 江戸時代前期(17世紀)から明治時代(20世紀)のものまで、さまざまな和歌浦を描いた屛風を展示します。歴史的なイメージによって描かれた名所絵の屛風、現地を正確に描写した真景図の屛風を比較することができます。

和歌浦図屛風(和歌山県立博物館蔵)17世紀

和歌浦図屛風 堀田象雲筆(個人蔵)20世紀

 

3 新発見・熊野権現縁起絵巻を初公開

 熊野の神がみの成り立ちを、インドのマガダ国の王族が飛来して垂迹したとする御伽草子(「熊野の本地」)を絵巻にしたものが、熊野権現縁起絵巻です。肉筆で全3巻が全て残されている作例は、全国でも数例しか確認されていません。このたび、当館に寄託された新発見の3巻本の作品を初公開します。

熊野権現縁起絵巻(個人蔵)のうち

熊野に飛来する場面

那智に垂迹する場面