み ど こ ろ

 

  

和大生による地域史調査の成果!
「地域の中の根来寺」の姿が今、明らかに!!

 

・中世の根来寺(大伝法院)領山東荘のあった現在の和歌山市山東地区には、「覚鑁が加持祈祷で猛獣や妖怪を退治しながら池を作った」などという伝承が残され、覚鑁を祀る覚鑁堂も建てられています。また、隣接する日前宮領和田荘と の境界付近では、農業用水を複雑に分配する水路網が構築されています。和歌山大学日本史ゼミでは、こうした山東地区の調査を行う中で、根来寺の地域支配の実像を探ってきました。今回はそうした調査成果の一端を紹介します。

・根来寺は、とくにその行人方を中心に現在の泉南地域にも勢力を伸ばし、荘園領主の代官などとして年貢の収納を行っていました。現在の泉佐野市内の旧家には、天文22年(1553)に作られ、根来寺惣分代官の僧が使っていたことが刻 銘によりはっきりと分かる年貢収納枡が残されています。今回は県外に残る根来寺の足跡としてこの枡を展示し、根来寺の地域支配の展開についてふれます。

 


 

中世根来寺を知るビジュアル資料!
新出の文献史料とともに、一堂に展示!!

 

・中世の根来寺の境内は、現在の境内よりもかなり広い範囲に及んでいました。今回の展示では、中世から近世にかけての根来寺の境内の様子を描いた3点の絵図をまとめて展示します。 

・これら3点の絵図は、秀吉による紀州攻めで境内が一時荒廃した後の江戸時代に制作されたものです。しかし、その情報量は驚くほど多く、かつ正確で、おそらくは制作の際に根拠となった資料が存在していたものと思われます。今回の展示では、そうした点を考えるヒントとして、新出の文献史料を紹介します。泉佐野市内の同族講に伝えられていた文書で、江戸時代はじめに中世の根来寺の堂塔伽藍を詳細に書き留めた記録として注目されます。

 


 

発掘された中世根来寺の実像!
 根来寺旧境内の出土資料をエリア別に展示!!

      

・根来寺旧境内では、これまで30年以上にわたって発掘調査が行 われてきました。今回の展示では、調査の中で出土した様々な遺物を出土エリアごとに区分して展示し、「根来寺境内」の発展と拡大の過程を分かりやすく紹介します。根来寺旧境内からの出土資料は、全国的に珍しいものも多く、根来寺を構成する個々の院家の繁栄と富裕ぶりが、具体的な遺物から実感できます。