展示のみどころ
【みどころ】 |
このたびの企画展で展示される資料は、「ベートーヴェンら古典派・ロマン派(19世紀)の著名な作曲家の楽譜・書簡」のほか、「パーセルを中心としたルネサンス・バロック時代(16〜18世紀)の作品」が中心で、とくに徳川頼貞が留学したイギリスの古い時代の作曲家に関わる写本が多く含まれている点が特徴です。ほとんどの楽譜が、50年ぶりの展示となります。一部の資料の中には、近年の修復により公開にいたったものも含まれています。 |
(1)ベートーヴェン(1770-1827)「諸国の民謡集」より |
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1815〜18年ごろに作曲された一連の諸国民謡の編曲で、3曲のロシア民謡のうちのひとつ(冒頭部分)。作曲家の自筆楽譜で、上から声部(ソロ)・ヴァイオリン・チェロ・ピアノの順に記される。ベートーヴェンの身の回りの世話をし、その伝記作家としても知られるA.シントラー(1795-1864)の書簡とあわせて額装されている。 |
©慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究センター |
(2)パーセル(1659-1695)歌劇「ディドとアエネス」 |
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パーセルは、イギリスにおけるバロック時代の最も重要な作曲家。イギリス王室の作曲家やウエストミンスター寺院のオルガニストとして活躍した。この歌劇は、1689年にロンドンで初演されたもので、厳密な意味でパーセル唯一の歌劇とされる。自筆譜は残っておらず、この筆写譜が最も重要な資料となっている。 |
(3)ヘンデル(1685-1759)歌劇「ムツィオ・シェーヴォラ」 |
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J.S.バッハと並んで、バロック音楽を大成したヘンデルは、ドイツに生まれた作曲家であるが、1711年以降はイギリスを活躍の舞台とした。イギリスでは、歌劇とオラトリオの作曲・上演に精力を傾け、劇音楽家としての生涯を送った。この楽譜は、1721年に合作で作曲された歌劇の筆写譜で、ヘンデルは第3幕を作曲している。 |
©慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究センター |