弘法大師御手印縁起


一二世紀半ば以降、寺領の拡大に乗り出した高野山が、その根拠として持ち出したのが、「弘法大師御手印縁起」である。高野山は、そこに示された領域は、すべて寺の領地であり、一円支配の土地であると主張した。内容は、朝廷が空海(弘法大師)の要請に応えて高野山周辺の土地の領有を認めた太政官符や、その土地の領域を示す地図などから成るが、実は空海の時代より約三〇〇年もたってから偽作されたものである。
大きな画像へ