熊野那智大社


那智山の中腹に所在する。那智の滝を神体とし、この滝宮を加えて十三所権現を祀る。主神は熊野夫須美大神とされる。起源は滝への自然崇拝に求められ、古くからの滝籠り修行の行場となっていた。こうした修験の霊場として、本宮・新宮とは異なった途を歩んで発展し、両社とともに「三所権現」と呼ばれたは平安時代も後半に入ってからのことである。師旦関係の確立に早くからとりくみ、実方院・尊勝院などの御師のもとに諸国の信者を旦那として組織していった。