西行


西行(一一一八〜一一九〇)は、俗名を佐藤義清といい、鳥羽院北面の武士であった。佐藤氏は、田仲荘(那賀郡打田町)の領主である。二三才の時に出家し各地を漂泊、多くの和歌を残した。その間、高野山に草庵を結び、この地を以後三〇年の居所とした。また熊野にも何度かおもむき、八上王子(西牟婁郡上富田町)では「待ちの松風」の一首を詠んでいる。代表的な歌集に「山家集」「聞書集」がある。