神倉山三号経塚


神倉山周辺は、新宮経塚群の中でも、もっとも遺構の密集している地域である。特に神倉山三号経塚は豊富な遺物をもち、遺構の状況も知ることができる希有な事例である。遺構は、巨岩の隙間を利用し、箱状に組み合わせた板石の中に陶製経筒を納め、その内部には合子に入った瑠璃小玉を置く。両端の隙間には木炭と炭灰を充填している。合子と和鏡を供養品として埋納し、盛り土の上には小さな礫石を敷きつめている。なおこの経塚には経巻は納入されていない。