紀国造

記紀神話の中で語られている日前神(ひのくまのかみ)・国懸神(くにかかすのかみ)は、本来紀ノ川下流域の農業神であったと考えられる。大規模な宮井用水を開き、広大な耕地を開発した紀氏は代々日前、国懸神宮の祭祀を司っており、この地域一番の古くから豪族であった。そして大和政権からは紀国造に任命された。紀氏はすぐれた航海技術をもって海上に進出し、その結果として朝鮮半島の影響を強く受けた遺跡を紀ノ川河口付近にみることができる。