展示のみどころ


 

①重要文化財・草堂寺(そうどうじ)の障屛画(しょうへいが)を全画面展示

(前後期で表裏を総入れ替え)

 蘆雪(ろせつ)の襖絵(ふすまえ)を全画面展示するのは42年ぶり。応挙(おうきょ)の襖絵を含めた草堂寺障屛画全ての同時公開は、初めてです。

 江戸時代の画家の中でも奇想に富んだ表現で人気の蘆雪ですが、紀南で描いた襖絵は、数少ない制作年代の明らかな作品として非常に重要です。

[前期]

朝顔(あさがお)に鼬(いたち)図 長沢蘆雪筆

                 草堂寺蔵 重要文化財(部分)

 

②草堂寺悉皆(しっかい)調査の成果を公開

 草堂寺の全面的な協力のもと、草堂寺草創期(そうそうき)の古文書、寺外初公開の仏像、近代における蘆雪画保存運動についての資料などを調査。この特別展で、草堂寺の約400年の歴史を語る貴重な資料を紹介します。

[全期間]

地蔵菩薩坐像(じぞうぼさつざぞう)  草堂寺蔵

 寺外初公開

 

③草堂寺だけじゃない!紀南の名品が勢揃い

 成就寺(じょうじゅじ)(串本町)、無量寺(むりょうじ)(串本町)、高山寺(こうざんじ)(田辺市)、持宝寺(じほうじ)(すさみ町)などに伝わる蘆雪画、指定文化財を含む名品を一堂に展示。蘆雪の紀南における活動に迫ります。
(※無量寺の襖絵は今回出陳されません)。

 また、蘆雪が紀南に来たのには、宝永4年(1707)の地震・津波で被害を受けた寺院を新たに装飾するためでもありました。そうした災害の記憶を伝える資料も展示します。

    
[後期] 群雀(ぐんじゃく)図 長沢蘆雪筆 成就寺蔵

 重要文化財(部分)


[前期] 津波警告板(つなみけいこくばん) 富田区蔵

 和歌山県指定有形民俗文化財

 

④伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)と江戸絵画

  
[全期間] 隠元豆
(いんげんまめ)・玉蜀黍(とうもろこし)図 草堂寺蔵 和歌山県指定文化財

 近年話題の伊藤若冲。その初期の名品をはじめ、多くの江戸絵画を紹介します。