十一面観音立像 (じゅういちめん-かんのん-りゅうぞう)
重要文化財 木造 像高113.8p 奈良時代(8世紀) 有田市・円満寺(えんまんじ) 蔵
8世紀後半に造立された檜(ひのき)の一木造(いちぼくづくり)による十一面観音像で、細い冠帯、胸の細かな瓔珞(ようらく)や肩から腕に垂れた天衣(てんね)にいたるまで、丁寧に刻み出している。張りのある肉身部、均斉な衣文(えもん)、無駄のない直立した姿勢で、檀像(だんぞう)や乾漆像(かんしつぞう)を意識したような造形となっている。頂上仏(ちょうじょうぶつ)・頭上面・化仏(けぶつ)は室町時代、光背・台座・華瓶(けびょう)は江戸時代のそれぞれ後補である。和歌山県内における最古の木彫像として、非常に貴重な資料である。
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