展示のみどころ


 

頼宣(よりのぶ)が大阪(おおさか)の陣(じん)で着(き)たといわれる
桃文様(もももんよう)の陣羽織(じんばおり)

和歌山県指定文化財 紅地桃文様金糸入繻珍陣羽織(べにじもももんようきんしいりしゅちんじんばおり) 
(徳川頼宣
(とくがわよりのぶ)所用(しょよう)) 1領 紀州東照宮蔵

 徳川頼宣が1614年とその翌年に、大阪城周辺で起こった「大阪の陣」(戦争)のとき、身につけたといわれる陣羽織です。このとき、頼宣は13歳ぐらいの少年でした。陣羽織はよろいの上に着る服で、この陣羽織は少年が着るような大きさになっています。明(みん)(中国)から輸入された最高級の材料で作られ、「寿(ことぶき)」という字と桃をデザインにしたものが描(えが)かれています。2つともおめでたいとされています。家康をまつる紀州東照宮に伝えられてきました。

 


 

和歌山城(わかやまじょう)天守閣(てんしゅかく)の紙模型(かみもけい)

【御天守(ごてんしゅ)(おこ)し御絵図(おんえず)  1舗 個人蔵】

 1717年10月、当時江戸にいた紀伊藩6代藩主徳川宗直(むねなお)に、和歌山城天守閣の模様替えを説明するため、藩の役所が作成した紙模型の天守閣です。貼り紙の下は板壁で描かれています。江戸時代中ごろの天守閣は、現在のような白土(しろつち)の壁(白壁)ではなく、松江城天守閣のような板が張られた黒壁であったことがわかります。

 


 

200年ほど前の和歌山城(わかやまじょう)の内部(ないぶ)を描(えが)いた絵図(えず)

和歌山御城内惣御絵図(わかやまごじょうないそうおんえず) 1舗 和歌山県立図書館蔵

 和歌山城の内部を詳しく描いた絵図です。城を囲むように、堀(水色)があるのがわかります。中央には石垣で囲まれた所があります。向かって左側が天守閣(てんしゅかく)で、この場所は城のなかでも一番高い所です。まわりは山のように描かれています。その右側にある建物は「本丸(ほんまる)」と呼ばれ、もともと藩主(はんしゅ)が住んでいた所です。しかし、高い場所のため不便で、狭(せま)くなったので、藩主は「二の丸」(現在の二の丸庭園の場所)に御殿(ごてん)(建物)を建てて住むようになりました。