# # は じ め に # #
紀州三大窯の一つ、南紀男山焼は、江戸時代後期の文政10年(1827)に開かれ、 明治11年(1878)に廃窯となるまで、約半世紀の間、 有田郡広村(現在の広川町)に築かれた窯で多くの作品を生みだしてきました。 窯を開いた崎山利兵衛は、京都や九州の肥前有田から製陶・染付の技術を導入し、 紀伊藩の殖産興業政策にそったかたちで大量生産を行い、国内外への流通・販売を めざしたのです。
南紀男山焼の製品は、日常生活に用いる染付のやきものが大半でしたが、 中には高級品として特別に制作された作品もあります。 和歌山県立博物館は、創立以来、こうした南紀男山焼のすぐれた作品を収集してきました。 このたびの企画展では、一部寄託資料を交えながら、 館蔵資料の南紀男山焼の作品ほぼ全てを公開いたします。 関連資料とあわせて、南紀男山焼の頂点に位置する作品群を、 ご鑑賞いただければ幸いです。
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