特別展 華麗なる紀州の装い ―かみ・ひと・ほとけをつなぐ― 平成23(2011)年4月23日(土)〜6月5日(日)
「染め」や「織り」によってあらわされた染織品は、日本の文化財のなかで、もっとも弱く、いたみやすい文化財の一つです。たとえば、貴重な染織品の多くは、たいてい絹でつくられているため、年月による変化で、もろくなってしまいます。また、染織を染める色も、紫外線の影響を受けやすく、色あせてしまうことが多いのです。それゆえに、古い時代の染織品が、美しい状態で残されていることは、非常にめずらしいといえるでしょう。
しかし、和歌山県内には、古い時代の染織品が、比較的美しい状態を保ったまま、数多く残されています。それらのなかには、日本の染織を代表する作例として、国宝や重要文化財に指定されているものも少なくありません。こうした貴重な染織品が紀州に残されてきた背景としては、古くから神社や寺院に奉納され、宝物として保管されてきたことや、あるいはその寺社や寺院でおこなわれる芸能などで用いられつつも、人々の手によって大切に守り、受け継がれてきたことなどが挙げられます。
この特別展では、そのようにして紀州の地で守り伝えられてきた装束などを中心とする華麗なる染織品を、地域の歴史や文化、さらにはそこに用いられている細かい技法などとともにご紹介します。
協 力 : (財)和歌山県文化財保護協会・(社)和歌山県文化財研究会
和歌山県立博物館友の会・和歌山大学紀州経済史文化史研究所
【展示の構成】
T 神々の装い―熊野速玉大社の古神宝―
U 芸能の装い―守られた古沢厳島神社の能装束―
V 武将の装い―神になった家康と、その子頼宣の着物―
W 舞楽の装い―和歌祭で用いられた舞楽装束―
X 追善の装い―ほとけに捧げる衣―
詳しくは、展示資料目録へ→
【休 館 日】 月曜日
【開館時間】 9時30分〜17時(入館は16時30分まで)
【入 館 料】 一般500円(400円)・大学生300円(250円)
高校生以下、65歳以上の高齢者、障害者手帳をお持ちの方、
および県内に在学中の外国人留学生・就学生の方は無料
※( )内は20名以上の団体料金