紀州東照宮の春の例大祭・和歌祭では、神事のクライマックスである神輿渡御の際に、神輿の後ろにさまざまな芸能を行う行列が連なります。その中に、仮面をつけて仮装し、にぎやかに練り歩く、面掛(めんかけ)、あるいは百面などとよばれる仮面行列があります。
この面掛で使用されてきた仮面は、古い神事面や能面、狂言面、神楽面など97面から構成され、全国的にも類例の少ない大変珍しいものです。今日までこれだけの数の古面が継承されてきたのは奇跡的ともいえるでしょう。近年、これら古い仮面の保存のため、新しい仮面も作成、奉納され、その価値の重要性に注目が集まっています。
この企画展では、和歌祭・面掛行列で使用されてきた古い仮面や、新たに制作された仮面の全てを集め、その全貌を初めて明らかにします。あわせて142面の多種多様な仮面の魅力に身近に接して頂くことで、仮面が語りかける和歌山の歴史に思いをはせる機会となりましたら幸いです。
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