根来寺の坊院


根来寺を構成した各坊院の敷地は、山裾を削り石垣を築き、階段状に造成されている場合が多い。矩形の敷地に土塀を巡らし、正面に門と階段をつける。建物には主家のほかに、付属屋・堂・書庫などが確認できる。倉庫は、半地下式になっている場合が多く、そこには備前焼の大甕が据え付けられている。これらは油を蓄えた甕であろうと推測されている。建物の屋根は、盆地では瓦葺きのものが多く、谷筋では柿葺や板葺が多かったようである。