鉄砲伝来と紀州


天文一二(一五四三)年、鉄砲はポルトガル人により種子島に伝えられた。紀州では早くもその翌年、根来(那賀郡岩出町)の杉之坊の意をうけた津田監物算長が鉄砲1廷を持ち帰り、根来坂本の鍛冶職人芝辻清右衛門に模作させたといわれる(『鉄砲記』『鉄砲由緒書』)。その後、鉄砲は各地に普及するが、これほど早く制作された事例は他にない。やがて根来衆・雑賀衆は、軍備に鉄砲を取りとり入れ、各地の合戦で活躍した。