工業の発展 


明治半ばまで和歌山県の産業は、木材・みかんなどの一次産品が支えていた。日清戦争後になると多くの近代的企業が興り、明治後半には県下の産業構成の上で工業部門が五〇%を越え、工業県の様相を示すようになった。これらの工業の中心は、綿ネル・紡績工場などが立地した和歌山市であったが、第一次大戦後には有田郡の除虫菊(蚊取線香)・田辺周辺の貝釦・日高郡のセメント・新宮の製紙など各地に新たな工業が分布するようになった。