和歌山県における同和運動


「解放令」(一八七一年)の後、全国水平社創立に続く大正一二(一九二三)年の和歌山県水平社の創立は、同和運動(部落解放運動)も重要な画期となった。その活動の中心は差別糾弾と差別撤廃の演説会を開催することであり、のちには労働運動や県民運動と連携することもあった。昭和に入ると、県の組織した同和会(同和奉公会)は大きな運動を展開するが、その活動は次第に戦争協力に傾斜していった。戦後、同和運動は再出発するが、いまだに部落問題は完全解決されておらず、一日も早く完全解決を目指し、国民的課題として取り組まなければならない。