増田家住宅


増田家は、那賀郡山崎組の大庄屋をつとめた家柄である。大庄屋とは、藩から地方支配にかかわる職権を委任され、法令の布達や年貢の徴収などの役目を負う存在であった。藩と地方の中間に立ち、中性の土豪の血筋を引く農村の有力者が任じられることが多かった。増田家の屋敷地は、四周に堀を巡らせ、宝永三(一七〇六)年建造の主屋と宝暦九(一七五九)年に立てられた長屋門とが、当時のすがたをそのまま伝えている。