紀州の三大窯 


偕楽園焼・瑞芝焼・南紀男山焼の窯場を「三大窯」と呼ぶ。それぞれ文政二(一八一九)年、享保元(一八〇一)年、文政一〇年に開かれ、幕末あるいは明治時代初期に至って廃絶した。偕楽園焼は、藩主の御庭焼で、楽焼や交趾写の作品が多く、瑞芝焼は、青磁を中心に諸国の焼きものの写しを焼いている。南紀男山焼きは、藩の殖産興業政策にそって稼働した御用窯で、十四連房登窯を築き、染付磁器を量産して、藩外にも販路を広げた。