土器の変遷


土器の誕生は縄文時代の始まりを意味している。それは主に煮沸用具として用いられたものである。弥生荷台になると用途に応じた土器の基本的な組みあ合わせが確立する。古墳時代には野焼きの土器に加えて、窯を使って焼く土器が朝鮮半島から導入された。土器は文字のない時代の人々の生活と生活技術を雄弁に語ってくれるものであり、土器が示す形・文様・製法などの変化は文化の発展を示している。

先土器時代の遺跡・道具


県下に人々が移り住んだのは、今から約三万年前のこと。まだ、土器を発明していなかった彼らは讃岐石(サヌカイト)を打ち欠いて、鋭利な縁辺をもつ石片に加工をほどこしたナイフ形石器を作り出した。彼らの生活の跡は、県北部の紀ノ川流域から県中部の日高川河口平野までの間に広がっており、現在のところ県南部には見あたらない。また、それぞれの流域からは石材・技法の面において地域的特徴をうかがうことができる。