弥生土器


弥生時代には食料を自然の恵みだけに頼るのではなく、稲作によって自ら作り出すことができるようになった。この稲作にともなってもたらされたのが弥生土器である。弥生土器は機能に応じて簡素に作られるのを特徴とする。貯蔵用の壺、煮沸用の甕、食べ物を盛るための高坏や鉢。人々は、これらを組み合わせて使用した。県下では弥生時代初頭に甕の代わりに縄文系の深鉢を使うなど縄文時代的要素を残していた。

弥生時代の遺跡・道具


弥生時代(紀元前三世紀〜紀元後三世紀)には稲作と金属器の導入により人々の生活には安定がもたらされる一方、富の蓄積の差による貧富の差が生じた。県下では海岸に沿った地域に遺跡が集中しており、その他に紀ノ川流域のみが上流付近まで分布をみせる。米作りが始まり、様々な農具(多くは木製)がつくりだされるが、弥生時代後期には鉄器も普及するようになった。