近世になると、武士は政治権力を独占するようになります。同時に、武士は武芸だけでなく、官僚としての力量や教養も問われるようになりました。この企画展では、そうした近世武家社会の一端を紹介します。

 T戦国の世から「平和」の世へ では、豊臣秀吉・徳川家康によって天下統一が行われる16世紀末から17世紀を取りあげます。家康の子であり、後に紀伊藩主となる頼宣が大名として成長する時期でもありました。戦乱が終わり、「平和」が到来するなかで、頼宣の家臣団が形成されていく様子を、藩士の家に残された資料からご覧いただいきます。なかでも、壱岐家文書は今回初公開の資料です。壱岐家は戦国時代から近世初期にかけて活躍した武将・小早川秀秋の家臣で、のち紀伊藩に召し抱えられました。壱岐家文書から、筑前国や備前国の領主であった小早川氏の支配の様子も知ることができます。

  U文化隆盛の世から激動の世へ では、18世紀末から19世紀にかけて藩主となった10代治宝・11代斉順の時代を取りあげます。この時期は紀伊藩では藩政改革が行われる一方で、御庭焼に代表されるような藩主主導による文化も隆盛します。今回初公開の由比家資料は、藩主・治宝と藩士・由比家との文化的な関わりが具体的にわかるものです。

 主な展示品の紹介

指定    名   称 員 数 時 代 所 蔵 者
  徳川家康像 一幅 江戸時代前期 紀州東照宮
  芦川家文書のうち 徳川秀忠領知宛行状 一通 寛永2年(1625) 和歌山県立博物館
  壬辰倭乱図屏風 六曲一隻 19世紀 和歌山県立博物館
東照宮縁起絵巻 第二巻  住吉広通筆 一巻 正保3年(1646) 紀州東照宮
  芦川家文書のうち 徳川家康領知朱印状 一通 慶長11年(1606) 和歌山県立博物館
  壱岐家文書のうち 小早川秀俊知行宛行状(4月朔日付) 一通 慶長2年(1597) 個人
  壱岐家文書のうち 小早川秀詮知行方目録(7月17日付) 一幅 慶長7年(1602) 個人
 

壱岐家文書のうち 小早川家年寄衆連署知行方目録写
                          (10月22日付)

一通 慶長7年(1602) 個人
  偕楽園焼 灰釉平茶碗 銘「新樹」 一口 江戸時代後期 和歌山県立博物館
  由比家資料のうち 書「眉寿」 徳川治宝筆 一幅 弘化4年(1847) 個人
  由比家資料のうち 分野星図 二舗 嘉永2年(1849) 個人

   ※指定の○印は、和歌山県指定文化財を示しています。
 

ミュージアムトークのお知らせ
 12月3日(日)・17日(日)・1月7日(日)のいずれも13時30分から、40分程度の展示解説をおこないます。
申込無料、料金は入館料のみですので、是非ご参加ください!!

 * * * さらに詳しい解説を知りたい方は、音声ガイドもご用意しております * * *

入 館 料

一  般

260円 (210円)

大学生

150円 (120円)

※( )内は20名以上の団体料金。
※高校生以下・65歳以上の方・障害者の方
 県内に在学中の外国人留学生・外国人就学生は無料。

休 館 日

  月曜日
   ただし
1月8日(月・祝)は開館
  
12月29日(金)〜1月3日(水)

開館時間は、9時30分〜17時
ただし、入館は16時30分まで