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 (尊経閣叢刊 1)「レプリカ」って何?

 「レプリカ(replica)」とは、日本語で「複製」と訳され、平面資料・立体資料にかかわらず、原品とみ見ため目が寸分違わないように作られた資料のことをいいます。場合によっては、重さや手ざわり・材質なども原品と同じように作ることもあります。

 博物館の展示でレプリカを用いるのは、「明るすぎる光や紫外線などによって、長期間の展示で原品の変色・変形などの、いたみをふせぐため」、「原品をか借りたり、運んだりするのがむずかしいため」、などといった理由があります。そのかわりに、原品と見た目が変わらないレプリカを展示すれば、原品の持つ情報を、ほとんど同じように観覧する人に提供することができるのです。

 日本のレプリカ制作技術は、世界的にも非常にすぐれています。原品と区別するために、「複製」や「レプリカ」と表示すると、がっかりする方も多いのですが、現代の職人技の作品というような見方もできるのではないでしょうか。

当館学芸課長 竹中康彦 


複製・宝積経要品(尊経閣叢刊のうち)


複製・定頼集(原品は藤原定家筆)


複製・両京新記(原品は国宝)

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